【 百恵伝説 vol.3/時の扉 】
vol.1、2で紹介した曲は2曲とも優しく繊細な歌唱が印象的だったが、
この曲では一転、壮大な内容に相応しい力強い歌声で、山口百恵版ロッカバラードを聴かせてくれる。
アルバムコンセプトに沿った、時の流れには抗えない虚無感とそれでも連綿として繰り返えされる森羅万象を綴る歌詞、
最初に依頼した作曲家の曲が気に入らず、レコーディングディレクターだった川瀬泰雄氏が北野弦の別名で自ら作曲したドラマチックなメロディー、
ピアニッシシモで始まり徐々に大きくなるイントロのピアノや間奏で聴かせるブルージーなサックスが光るアレンジと、
前2作同様、作詞・作曲・編曲・歌唱の4つの要素すべてが見事にかみ合った佳曲である。
★時の扉 (作詞:伊藤アキラ/作曲:北野弦/編曲:萩田光雄/発売日:1978年5月1日)
※14thアルバム「COSMOS(宇宙)」(オリコン最高位8位)に収録