Edit your comment 杜の径 車を走らせること小一時間、山中の集落には40人ほどが暮らしているそうだ。そこに美食の宿として知られる深山壮がある。はやる気持ちを抑えられない。 玄関へのアプローチ、土間に並ぶ外履き。着物姿の宿の男が出迎えて部屋へ案内する。その廊下にある民芸の花瓶に添えられた野草。障子を引くと床の間に山水と民芸の壺。雑音がない坪庭に緑だけの濃淡。その恐ろしいほどの静けさと美しさに身動きできずに見入ってしまう。宿の男が、何やら説明をしているが耳に入らない。何のことか。いや、深夜の神事を語っていたのだ。 一日一組。いや、きょうは俺しかいない。 料理の美しさ、器との調和、静けさ、湯の加減、満天の星、鎌焚きの朝ごはん。 湯に浸かっている間に布団が敷かれている。全部が俺のために用意されている。 行かれるようでしたら、今夜は風もなく良い具合に火は上がると思います。 と、宿の男、佐藤洋平。俺より若いが目力があり作法の一つ一つに品を備えている。 宿を出て、杜に続く小径。 奥には松明と鳥居が見え、人の気配がするが少し遠い。 声をかけられた。どこだ? 宿の男、洋平だ。 これから村の人が餅つきをするが、一緒にどうかと誘われ、軽はずみな了解が後悔かそうでないのか。はたして、仄暗いテントの中、全裸にされて洋平に白布を巻きつけられた。 似合うね。俺たちとは違うわなぁ。 締め込み姿の男たちに褒められれば恥ずかしさより嬉しいものだ。股座に布を通し締め上げるときに撫でるように洋平に触られた玉も亀頭も、神事のことと思えば羞恥とは無縁だった。俺のが済むと洋平が巻かれる。 客人と洋平で餅つきは終わっちまいそうだな。 ええ体じゃ。 坊主頭の壮年の細身ながら無駄のない筋肉。洋平は茶化されながらも嬉しそうにうなずいた。 臼にしめ縄、四方の角を竹で囲い10人ほどの村人で餅つきが始まった。 疫病退治にご利益があると伝えられている400年続く神事で、杵は10本しかない。かつて、それを村人が争うほどにぎわったが、いまは10人そろえることが難しい。激しくぶつかり合い飛ばされ転げ、立ち上がって輪に入る勇壮さだ。餅は村人にふるまわれる。 日をまたぐ時刻、敷地一面に数百本の松明。漆黒の闇に火の粉と白きいろ橙の焔が立ち上る。 俺の横には声をかけてくれた洋平がずっといた。炎の美しさと神々しさ。村人の歓声が。二人でしばらく見続けていたが、見物の人々も帰り始めた。社務所の横には小さな建付けの風呂がある。下帯姿の男たちはすでに体を洗い終えて帰ってしまい俺と洋平の二人だけだった。 遅くまで突き合わせてしまいましたね、すみません。 洗い場の俺と湯船の洋平。ザバッと立ち上がって背中流しますと手拭いを背に当てた。 どうした? 背中の手が止まった。 俺にはわかりすぎた。俺がそう思ったから、洋平には伝わったのだろう。 洋平は俺の胸に口を当て乳首を舌先で刺激してくる。俺の二の腕は彼の手で掴み切れない太さがある。俺の体の弾力を試すように揉み掴み激しく抱いてくる。洋平の勃起した陰茎が太ももに突き刺さる。 洋平も腕を曲げれば力こぶが浮く。無駄のない体の割れた腹筋の溝を俺は指でなぞった。濡れた陰毛、固くそそり立つ男根、エラが張った亀頭がいまにもはち切れそうにひくついている。 俺を松明に括りつけて闇の中に吊り上げてほしい。 微かな声で、洋平は言った。 俺:3408-8 洋平:3288 SECRET SendDelete