Edit your comment 開始前から会場の空気は張りつめていた。勝てば優勝の最終戦。全勝同士のライバル戦となれば観客も固唾を飲む。開始早々、ラフなプレーが試合を中断させた。OBや所属のファンでなくても力の差がないチームの試合は面白い。競り合いは試合終了間際まで続いた。 スローイン1本でも決まれば決着がつく1秒前、審判のファウル見落としに抗議した選手が高圧的に迫った。見かねた相手チーム主将が割って入るが、興奮のるつぼに制御は効かない。観客が煽り客席から物が飛び、が群がり、ベンチから選手も飛び出して大混乱になった。 タオル、ジャージ、シューズ、ボトルなにもかもコートに散乱する中で、剝ぎ取られ、裸同然にされた審判の姿があった。それでも「ファウルはない」と選手らの抗議を無視したクールすぎるその表情に、観客がコールしたのは “Strip away”だった。 初めに抗議した男が審判の前に再び立ちはだかる。無言の威圧をかけて帽子をはじき、サポーターと赤いジャージは引き裂かれ、桃尻を鷲掴みしてダンクした。大喝采の観客に両手を挙げて英雄気取りの男。審判はニヒルに言い放った。“ワンゴール・4ポイント!” SECRET SendDelete