Edit your comment 造園業辰野屋の庭師辰野清三は石庭を得意とし、重機のオペレーター資格も所有する。樹木の剪定は言わずもがなだが、苔の知識も玄人はだし。時間をかけて形成される清三の庭造りは渋くもありモダンでもある。小柄ながら作業で見せる腕の太さや頑丈な下半身から同業の庭師からは石灯籠と茶化される。自らの肉体も庭造りのごとくこつこつと時間をかけて作り上げたものだ。造成中の庭の主は人払いしたあとで、清三の筋肉を庭で見たいと言った。折しも優勝の翌日。お披露目しようと、主の要請に快く応えた。陰り始めた西日を受けながら凪の水面に、片足乗せた岩石に、苔むす地面に惜しげもなく一糸まとわぬ裸身。返したはずの職人がひとりふたり、繫みから清三の隆々とした筋肉を覗き見た。 SECRET SendDelete